KDDI様ご来訪、データ作成をご指導くださいました

3月12日、KDDI株式会社のY様が、絵本データの作成方法のご指導に来訪されました。

KDDI様には2013年に初めてご寄付をいただいて以来、プリンターの導入とそこで使用する絵本データまで作っていただきました。今でこそ800数十冊を誇る蔵書も、実に150冊ものデータを黙々と作成してくださったこのY様のご尽力あってこそ!

この3月退職なさるのを機に、データ作成の方法を私たちに伝授してくださいました。これに先立ち、やはり点訳の機械化を主導してくださったT様からもマニュアルをいただいており、当方からもばりばりリケジョのつよ~い味方Kさんが駆けつけてくれて、なんとかなりそう・・というところまでこぎつけました!

翌朝、昨日はできたのになぁ・・と、やはりできない私のもとに、できました~!とのKさんからの軽やかなメール!持つべきものは多彩なお仲間です、有難や~有難や~♪ このデータ作成作業は、遠方の方でも、点字を知らない方でもご参加いただけます。

Y様、長い間、本当に有難うございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 

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新着絵本のお知らせ 2月

遅くなってゴメンナサイッ!2月の新着絵本のお知らせです。左上から、

1.かさどろぼう
2.ベンジーのふねのたび
3.きつね森の山男
4.ぼくの おとうさんと おかあさん
5.どうすればいいのかな?
6.おふろだ、おふろだ!
7.たからさがし
8.バムとケロのもりのこや
9.せかいいち うつくしい ぼくの村
10.そらまめくんとめだかのこ
11.うんこしりとり
12.どうやって みをまもるのかな

嬉しいニュースです!昨秋から利用の関西の小学部3年生のお嬢さん、姉妹で絵本をとっても気に入ってくださり、お母様から点訳協力のお申し出をいただきました!ユニリーフにはKDDI様ご指導のもと、遠距離でもアクセスできる、ちょっと自慢のシステムがあります。早速データ編集をお願いし、出来上がったのがこの『きつね森の山男』。絵本の良さを実感してくださる方との協力作業は、思いを共有できるのが何より嬉しい!

全国の方が絵本を利用してくださって、全国の方と思いを同じく作業する・・そんな日って本当に夢です♥

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伊藤忠記念財団様贈呈式

3月2日、伊藤忠記念財団様の「子ども文庫助成事業」贈呈式が、北青山の伊藤忠ビルでありました。

今年度は170応募中、海外含む76団体が助成を受け、ユニリーフがいただいた「病院・施設子ども読書支援購入費助成」は、13応募中3件と狭き門であったことを知りました。本当に有難いことです。

贈呈式にはなんと日本全国から文庫や読書活動を営む方々が出席されました。挨拶に立たれた大先輩方のお話には思わず引き込まれ、謙虚に継続していくことの大切さを思わされます。

続く懇親会は、お天気も良く眺望素晴らしい22階ホール。大変なご馳走を横目に、全国で絵本の活動をされている方々と情報交換させていただきました。中でも、お声をかけてくださった東京子ども図書館様、ご一緒に病院・施設助成を受けられた国立成育医療研究センターボランティアの会(図書セクションにじいろ)様とは、紹介用にユニバーサル絵本キットを置かせていただくお約束もでき、今後の活動の大きな一歩となりました!

伊藤忠記念財団様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。謙虚に、心を込めて活動していくことをお約束致します。本当にありがとうございました。

 

 

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第4木曜定例作業会@逗子 2月

2月22日、定例作業会をしました。

今回はいつもの製本作業に加え、3月25日(日)の地域イベント、逗子トモイクフェスティバルの準備もしました。

逗子高校時代に一緒に絵本を作ってきたボランティア部のSさん、今やすっかりキレイな大学生になって、続けて参加してくれています。春休みにまた1冊打ってくれるって、本当に嬉しいことですね~♪

イベントでは、点字タイプライター体験として、シートのしおりにお名前を打っていただきますが、今回はテーマの海・山にあわせて、シートを葉っぱや貝の形に切っています。図案は、絵本ポストも作ってくれた画才豊かなKさん!なんと点字の点の色付けにも挑戦中~キレッパシのシートがどんどん素敵になっていく・・乞うご期待です!

本日のご感想は、こちらもアーティストのOさんです!

いつもの作業会は健常者だけで行っているので、いつか目の不自由な人達と一緒に出来ればと・・・きっと楽しいと思う。きっと!

ところでKさん、これは誰かな~?大荷物で、いろいろすっ飛ばして、ガンガン歩いている、この人は・・?

 

 

 

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全盲大学生海外初一人旅、コスタリカ環境保護ボランティア紀行 その6(最終回)

度々私事で大変恐縮ですが、全盲娘の海外初一人旅、コスタリカ環境保護ボランティア紀行、『点字ジャーナル』連載の第6回(最終回)です。お付き合いくださった皆様、ご意見ご感想、温かい励ましをお寄せくださった皆様、本当にありがとうございました。

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★20歳の春、忘れられない3週間inコスタリカ★
(6)「途上国」ということ(最終回)

いま、3週間のコスタリカ滞在を終えた私の胸には、ひとつの大きな疑問がある。
「途上国っていったいなんだろう?」
 コスタリカは途上国だ。治安が良く、政治や経済の面でいくつも先進的な政策を行っているが、欧米や日本と比べたら途上国と言わざるを得ない。
 しかし、何をもって途上だと言うのだろう。
 たしかに、私が泊まったボランティアハウスのシャワーは水、しかもたびたび出なくなるので、翌朝までシャワーを浴びられないこともあった。洗濯機は私にとっては生まれて初めて見る2層式。30度を越す暑さのなか道端に座り込んで、2時間待ってやってくるバスにエアコンはない。
 しかし、私たち先進国から来たボランティアが、そんなことに一喜一憂しているかたわらで、ティコス(コスタリカ人)たちはのんびりコーヒーを飲みながら笑い合い、ふらりとお互いの家を訪問し、夢中でサッカーを観戦している。日本語の挨拶を覚えてくれたり、オセロのようなゲームのコマに触ってわかる傷をつけてくれたり。物理的に快適とは言えない環境が、物への執着を和らげ、人をおおらかに、人間関係を密にするのだろうか。根本的な温かいものがそこにあり、なぜこの人たちの住む国が何か不完全なもののように言われるのか腑に落ちなかった。
 思えば、物は本来人間の生活を補うために編み出されたはずなのに、いつしか立場が逆転し、物には出来ないことを仕方なく人間が補うようになったのではないか。そして物の発達によって効率の良い生活が実現すればするほど、そうでないことが許せなくなり、人間にさえ物に負けないくらい効率の良い存在であることが求められる。結果、人同士の煩わしいコミュニケーションが減り、出来るだけ1人で早くなんでも出来ることが良しとされ、人々は同じ空間にいるにも関わらず孤立していく。
食事時には特に、そう感じずにはいられなかった。なぜかティコスたちとボランティアは別のテーブルについており、ティコスたちがおしゃべりに興じている横で、私たちボランティアはスマホやテレビばかり見て、会話は途切れがちだったのだ。言語も文化も考え方も違えば、話すのが億劫になったり、時には痛みを伴うことだってある。それでも、1人で画面に向き合うより、限られた時間しか一緒にいられない人々と語らうほうが大切ではないか。その構図に抗いきれなかった反省をこめて思う。
いまの私には、途上国という言葉が単にGDPがどうの、インフラがどうのといった、事実だけを意味しているとは思えない。物質的に豊かなことこそが発展の証であり、しかも、そうでない国の人たちは知能面や精神面でも劣っているという、恐ろしい偏見が潜んでいるような気がするのだ。
コスタリカに発つ前、私のなかにはたしかにそんな偏見があった。だからこそ、ホームページの「途上国でボランティア」というフレーズに、なんの違和感も覚えなかったのだ。彼らの私に対する自然な態度に驚いたのだって、その裏返しと言っていい。しかし実際は、当たり前だが、助けられ教えられ続けていたのは私のほうだった。自然の知識や、現地での暮らし方もそうだが、何よりも他者への思いやりや心の持ちようについて、多くのことを教わった。「途上国でボランティア」は、自分が楽しい体験をさせてもらう気満々なのに、あくまでボランティアの名を借り、無遠慮な好奇心丸出しでやってきた私を、それでも「人生最高!」と言って受け入れてくれた彼らの器の大きさがあってこそ成り立つのではないかと、なかば本気で思ったほどだ。
この文章を書くために最新の機械をいじりながら何を言うか。たった3週間で、コスタリカの何がわかる。そんなふうに突っ込まれたら、理路整然と答えることなどできない。それでも私は、20歳の春に自らの足で異国に向かい、素晴らしく温かい人々と出会い、自分の身体で感じて獲得したこの視点に誇りを持っている。ちょっぴり恥ずかしいけれど、ここで皆さんに読んでいただけて良かったと思う。
この先もこの視点を変わらずに持ち続けるのか、違う考えを持つようになるのかはわからない。でも、いまこの瞬間考え感じていることを忘れることはない。今回の旅を通じて、将来日本とラテンアメリカの間にある環境問題に取り組むという夢を与えられたからだ。コスタリカと何かしらの関わりを持ち続け、何年かしたら、私はどんな文章を書こうと思うだろう。いまから楽しみだ。

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★20歳の春、忘れられない3週間inコスタリカ★
(『点字ジャーナル』連載(全6回) 2017年9月号~2018年年2月号)
~~バックナンバーは、こちらからどうぞ~~

(1)旅の始まり            https://unileaf.org/4903
(2)吠え猿の森            https://unileaf.org/5033
(3)モンテ・ベルデ          https://unileaf.org/5099
(4)コスタリカで考えたバリアフリー  https://unileaf.org/5176
(5)蝶を追って            https://unileaf.org/5271

 

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