お知らせ

選書・発送作業をしました 12月

師走の初日、「暖かいね」と交わすような小春日和です。
今日の気候のように、穏やかで元気の出る笑顔が素敵なKさんより、作業会のご報告です。

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12月の選書、発送作業会を行いました。

本日は代表の大下とボランティア4名の参加。いつもよりも少なめの人数でした。
少ないので、私、ちゃんと出来るかしらと、はじめ少し緊張しましたが、分からないことは、皆さんが、何でも丁寧に優しく教えてくれるし、手を動かしながらも、楽しいおしゃべりも、もちろん止まらず、すぐにリラックスして作業できました。

貸し出しをしている方のお名前を、お一人ずつ読み上げて、どんなご要望があるか、どのくらい見える方なのか、家族構成、どんなことに興味がありそうか、本のレベル…様々なことを共有してみんなで丁寧に選書し、チェックし記録して、レターを添えて、梱包します。

全部終わった時は、なかなかの達成感です!ご興味ある方は、是非ご一緒に!
K.K.

 

なぜユニバーサル絵本製作講座?

ユニバーサル絵本製作講座を開催しました。

始まりは2011年、県立逗子高校2年生7クラス270名との授業。以来、授業と部活動でずっと一緒に作ってきました。近年は、小学校の先生になった子が授業で使うと借りに来たり、これをきっかけに小児眼科を専門にし、新たに1冊自分で作って持っていった看護師志望の子も。

絵本作りを実際にやってみると意外と大変なのがわかる、それでもなぜわざわざこの本を作るの?真っ白い点だけの’絵本’はどんな気持ちがする?点字のパーツは6個の点だけ、なのに数式でも楽譜でもあらゆるものを世界中の言語で表せる、そんな人類の大発明に触れてみよう!習熟した読み手なら目よりも速く読むことができる、人の可能性って素晴らしいね!

この日のご参加は4名。小学3年生のRちゃんが点字タイプライターをすごく楽しんでくれて、超ウレシかった💛今まで街や家電品の点字を見て「何が書いてあるのかを知りたくて、今日やっとわかったんだー」とおうちで話されていたそう。若い頃の心動く体験は大事、よかった~!

Tさんからは「講座の最初に見せた頂いた絵本(注:点だけをプリントアウトした盲学校にある全てA4の真っ白い絵本)は、本当に点字が並んでいるだけで”冷たい”印象を強く受けました。絵のある本にシートが入ることで、隔たりのない本来のあるべき形を作っているなあと感じました!」お気持ち有難うございます。

頭の中のイメージの「点字」、今日仕組みを考え手を動かしてみた「点字」、その背景にある多くの人々の足取り・・点字は目の見えない人が仕方なく使うもの?自分とは関係ない?この絵本が遥か彼方に見ているのは何?→「共に生きる」未来!

完成した絵本は、皆様のお名前を入れて、全国の目の不自由なお子さんの家庭や学校に貸し出されます。本日はご参加ありがとうございました。

 

新着絵本のお知らせ 紅葉

新着絵本のお知らせです。後列から、

1.かなへび
2.パンダはどこにいる?
3.おなまえ おしえて

「お寺や和尚さんとかに関係があって、短くて、読み聞かせに使えそうな本、何かないですか?」と鎌倉図書館で聞いたら、教えてくださったのがこれ、『パンダはどこにいる?』。

鎌倉円覚寺の横田南嶺管長がお書きになった「禅の心」の絵本です。なんでパンダなんだろ?絵は可愛いけれど、わかったような、わからないような・・巻末のお言葉を読むと、ようやく少しそうなんだ・・一朝一夕にわかるはずもありませんが、お寺にご縁をいただいてこういうお言葉に触れると、なぜだかそれだけで清々しい気持ちになれます。

この絵本、毎月第二土曜の「”さわる”模型を囲むお話会」で読み聞かせしています。心安らかなひと時をご一緒しませんか?

『おなまえ おしえて』は点訳を少しずつ頑張ってくださっているTさんの作品。イベントも絵本も建長寺も、忙しい中関わってくださいます。あら、これもパンダね~!?『かなへび』はむかし娘と飼っていたことがあって、楽しかったからみんなにも、と思って打ちました。

1冊の中に全然違う世界が広がっている3冊、楽しんでくださいますように~

 

広瀬浩二郎先生講演~「さわる」取り組み

出版UD研究会主催、広瀬浩二郎国立民族学博物館教授の講演に参加しました。20年以上「ユニバーサル・ミュージアム」をめざした活動、特に「さわる」展示の充実に取り組んでこられた著名な全盲の研究者です。

著作の表紙や、「さわる」企画展のチラシには、透明の点字とともに触図も描かれています。こちらのチラシ、浮き出し線の三味線の絵、見えますか?意図は「さわる」動機づけになるとよいとのこと。なるほど、一瞬でも「さわる」機会を、ということですね。勉強になるなぁ~

印象に残ったのは、例えば縄文土器にさわると、「モノの背後に人がいることを感じる」。そして、そんな経験が「人とふれあうマナーにつながる」というお話。時を超えて人と人とが心でつながる、そこが大切であり、それを生み出してこそのモノなのだ・・と思えました。

考案された「触察体操」(!?)、鑑賞前後に対象とよく対話するように気持ちと体をリラックス。確かに皆さんとご一緒に体を動かすと、なんだか距離も縮みます。

この日はもしもに備え、模型のチラシとユニバーサル絵本を持参しました。突然にも関わらず、光栄にもユニリーフの名をご存知だった主催者様が、紹介の時間まで設けてくださいました。休憩時間には何人もの方がお声かけくださり、「建長寺の模型聞いていました」「今度行ってみます」と。ユニバーサル絵本製作講座へのご関心まで。

広瀬先生は第一人者でありながら気さくに話してくださり、ファンがたくさんいるのも頷けます。木造文化財建築の屋外模型は関西にあるか伺うと、「ないと思う」。先生が御存知ないなら日本初と名乗ってもいいのかも・・!

ご縁あった方々との再会、知ってくださっている方々、新たなご縁・・感謝とともに、ユニリーフいつの間にか長くなったのだなぁとの感慨も。いろいろな方とお話できてよかった、東京ちょっとコワイけどまた来よう。

出版UD研究会成松様、広瀬先生、会の皆々様、本日はお目にかかれ、お近づきになれて光栄でした。貴重な機会を本当に有難うございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 

「触れる展示で広がる学び」記事をめぐるご縁

「同じ展示を一緒に味わい、お互いの感想、感覚の違いを共有できることが、ユニバーサル・ミュージアムの最大の成果」

11/7付産経新聞記事「触れる展示で広がる学び、ユニバーサル・ミュージアム増加 見える人にも見学以上の発見」の最後にあった柳原崇男近畿大学教授のコメントです。心震えました。一素人である私が経験的に感じているのと全く同じ!そう、分かち合うことはより豊かになることですよね・・

引用の許可をいただこうとオソルオソルご連絡したところ、なんと光栄なるお言葉とご自身で撮影された美しい写真まで送ってくださいました:

マーチャーシュ教会@Hungary

バルバカン砦@Poland

カステレット要塞@Denmark

 

 

 

 

 

「建長寺仏殿の精巧な模型は、知りませんでしたので、ぜひ現地で拝見したいと思いました。
私自身もこれまで、海外で設置されている触察模型に触れる機会があり、それらはいずれも、晴眼者も楽しめるものであり、視覚障害者の方にとっては、文化遺産への理解をより深めるうえで非常に良いと感じていました。
建長寺での模型制作と設置のご活動は、非常に意義深いものだと思います。貴重な情報を共有していただき、本当にありがとうございました。(中略)日本の寺社仏閣の建築物もいろいろ作ってくれたら、楽しみが増えますよね」

建長寺模型はやはり関西では全く知られていないよう。是非話題に!と図々しくもお願いすると、関係のお仲間にお知らせくださるとご快諾くださいました。

数年前、識者にも役所でも「そんなもの作ってどうするの!?」と疎まれ続けた”さわる”模型。面識もない立派な大学の先生が温かいお返事をくださるようになるなんて・・(涙)少しずつ、お一人ずつ、広まっていきますように。

ムルシア大聖堂@Spain

クラクフ旧市庁舎@Poland

近畿大学柳原崇男先生、この度は突然の御無礼に温かいご返信を有難うございました。これからもご指導くださいますよう、どうぞよろしくお願い致します。