利用者さんからのお便り 12月

今月も沢山のお便りが届いています。まずは新規貸し出しの方からご紹介します。

◆三重県の盲学校3年生、H奈ちゃん。本って偉大ですね、よかった~!

自分で読める文字が少ないため、今まで点字のついた本を、ほとんど触ったことがなかったのですが、思った以上に興味を持っていました。今回貸していただいた中では、「あいうえおうた」が、とても楽しかったようです。自分で読める点字があり、文章のリズムもおもしろく、笑いながら読んでいました。

◆兵庫の3年生Y香ちゃん、いつも姉妹で笑えるエピソードが・・

姉は”あらしのよるに”にはまり、妹は”こんとあき”を読んで夜寝るときのぬいぐるみが増えました。そして、姉妹そろって長年愛用しているうす汚れたぬいぐるみと一緒にお風呂に入るそうです。最近ピザを食べた時、”We have a pizza~♪”と歌っており、娘達に音が残っているのだなと感じました。
本好きになってくれた事はとてもうれしいのですが、(中略)首が痛くなったり、宿題がおろそかになったり・・。バランスが難しいこのごろです。

 

◆東京の1年生F真くんは点字のお便り!ママからもユニバーサルへの喜びが。

今回も5冊ともとても気に入って、何度も何度も読んでいました。うんてんしの本は話が長く、点字を追うのに精いっぱいになってしまうため、私に読んでと言ってきました。またうんてんしの本は双子の弟もとても気に入っていました。障害があってもなくても親しめるというのを改めて実感しました。(中略)ユニリーフさんに出会えたこと、本当に感謝しています。

 

◆東京の盲学校2年生T太クンは、知りたいことがいっぱい。「弟が1年生になったら点字を習うのか」と尋ねてきました。ベストアンサーはママの穏やかな笑顔かな・・今、質問攻めだそう、答えのありそうな本送りますね~

◆東京の2才児Y斗くんはかわいい盛り、公園で一人で歩き回るようになりました。

最近は、本を読み終えた後「おしまい」と言うと、手を叩いて「おしまい」とするようになりました。


◆都内の盲学校3年生K介クンは点字のお便り、ご覧ください。

◆東京の1年生K次郎クンは妖怪好き、うちもそうでしたね~

くるまのお話などは、自分で絵を見たりしています。作品中に小さな犬がいたりすると、この話を書いた人は車も好きだけど、犬も好きなのかなと小さい犬を見つけては喜んでおります。お化けやようかい以外だと、動物や小人も好きです。字数の少ないものも一つ位入っていると自分で読みたい気持ちも育ちますかね。

 

◆福岡5年生T雄クンは「ものぐさトミー」と「やまなしもぎ」がおもしろかったと。お母様からのご感想もあり、読書会みたいで楽しそうですね~

トミーはとてもめんどくさくて、なんでも自動でやってくれるからとてもうらやましいと思いました。歯みがきなどもすべてやっていて、歯医者さんにあるようなものがうらやましいと思いました。(「やまなしもぎ」は点字からどうぞ。)

◆神奈川の年中さんY子ちゃん、おかげさまで点字もほぼ読めるようになり、楽しく本を読めるようになりました。スゴイですね~今度は長めの本もリクエスト。

 

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皆様から寄せられたお便りは、ご本人が特定されないような配慮のもとに、当HP、FBに掲載させていただくことがあります。掲載は困るという方は、事前にご連絡くださいますよう、よろしくお願い致します。

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木曜定例作業会@逗子 12月

12月21日、本年最後の定例作業会をしました。久しぶりの方、横浜から参加してくださった方・・初めから違和感なく、テンポの良い会話が飛び交いました。

さらにさらに、応援メンバーになるよと言ってくださった方がこんなに!HPに突然入会ご希望をくださった方もあり、こんなことが起こるなんて・・(涙涙)本当に有難うございます!

今年度のトリは、今や作業の大黒柱、オールマイティTさんのご感想です。

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いつも楽しく作業会に参加させていただいております。作業会に参加するようになって1年経ちました。地道な作業が多いですが、1冊の点字絵本を作るまでには、たくさんの人の手が少しずつかかって出来ていることを、この作業会でいつも感じます。
こうやって私が続けられたのも、大下さんや作業会に参加している皆さんの温かい人柄に惹きつけられているからだと思っています。
少しずつでも、このような輪が広がっていくといいなと思っています。

 

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パルシステムグループ助成金合同報告・交流会

12月18日、パルシステムグループ様の助成金2017年度合同報告・交流会が、東京市ヶ谷で開催され、神奈川ゆめコープの事例として、ユニリーフの活動を発表させていただきました。1都10県合同のこのような会は初めてだそうで、光栄な限りです。

初めてのパワーポイントを美しくまとめてくださったT先生、準備段階からお心遣いいっぱいご尽力くださった神奈川ゆめコープのU様には大変お世話になりました。発表後、U様が寄せてくださったご感想には、感謝の思いを新たにしました。

大下さんの報告を、多くの人が関心をもって聞かれているのが、感じられました。その後の名刺交換会でもひっきりなしに、お声をかけられてお疲れになったかと思います。今回の報告会がユニリーフさんの活動の広がりにつながればいいなと、思っています。

ユニリーフから同行したOさんの感想です。

世の中には様々な市民活動をボランティアでされている方がたくさんいるということを改めて知りました。行政の網の目からこぼれおちてしまった人々に同じ市民としての目線から助けの手を差し伸べようとしている動きがあることに救われる思いです。震災へのボランティア活動もその時だけでなく、継続することこそが大事であることを再確認させられました。自分たちの活動も長く続けていきたいと思います。

 

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伊藤忠記念財団様の助成がいただけることになりました!

来年度の絵本製作費用を工面すべく、「伊藤忠記念財団子ども読書活動費助成」に申請を出していましたが、このほど助成決定の通知をいただきました!

今回は、絵本原本100冊と透明シート等材料費のみならず、オリジナル郵送袋制作費や、すでに入りきらない本の継ぎ足し書架費用も申請させていただいています。これで安心してみんなの好きな絵本を買うことができますね~!今がチャンスですよ~、リクエストしてくださいね~♪

審査時には大下宅まで足を運ばれ、熱心に活動状況を聞かれると同時に多くの有用な情報も授けてくださいました。こうしてユニリーフを助成先に選んでくださった伊藤忠記念財団様に、この場を借りて心より御礼申し上げます。

 

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全盲大学生海外初一人旅、コスタリカ環境保護ボランティア紀行 その4

度々私事で大変恐縮ですが、全盲娘の海外初一人旅、コスタリカ環境保護ボランティア紀行、『点字ジャーナル』連載の第4回です。よろしければどうぞ読んでやってください。
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★20歳の春、忘れられない3週間 in コスタリカ★
 (4)コスタリカで考えたバリアフリー
 
コスタリカはとてもバリアフリーの進んだ国だ。
そう聞いて、皆さんは驚くだろうか。え、点字ブロックや音声信号があるっていうの?音声で操作できるATMや券売機も?
まさか。コスタリカは「途上国」でしょ?と。
答えはもちろんノーだ。点字ブロックどころか、道は段差と穴だらけ、舗装されていないこともしょっちゅうだ。券売機を探そうにも、大きな街以外に電車はない。車の窓から操作できるよう道路脇に設置されたATMは、日本ではお目にかかれないので面白かったが、音声案内とは縁がなさそうだ。
しかし、前回の記事に書いたように、モンテ・ベルデで巨大ロープアスレチックをしたとき、ガイドの人たちは声を掛け合いながらコースに沿って私を案内し、一つ一つアスレチックの説明をし、「楽しんで」と送り出してくれた。私はすっかり感動してしまった。日本で前に同じような施設を訪れ、危険だからと入場を断られたことがあったからだ。まさか日本でできなかったことがコスタリカでできるとは思いもしなかった。
ここに、点字ブロックや音声案内の代わりにこの国にあるもの、始終私の心を和ませてくれていたものが凝縮されているように思う。すなわち、人々の何事もむやみに心配し過ぎないポジティブさ。そして時間に縛られないのんびり精神だ。
私と歩くことに関しても、公園のみんなはさほど緊張していないようだった。ガイドのロリは、私を手引きして山道を歩きながら、「気をつけて。まあ転んだってたいしたことはないけどね、ちょっと痛いだけで」と笑顔で言ってのけた。極め付きは、私が段差につまずいてたたらを踏んだときに、私と歩いていたスタッフが口にした台詞だ。「アッ、ダンスしてる~」。家族や幼馴染みならともかく、一応仕事で私の命を預かっている彼がそんなことを言うなんて、本当に愉快な驚きだった。
そう、私がつまずいたり転んだりするのはショッキングなことではない。むしろ周囲の状況を知る手がかりになる。日本で道案内をしてもらうと、「歩く速さはこれでいいですか?」、「慣れてなくてすみません」などと言われ、それ以外の話ができないときがある。思いやりは本当に嬉しいが、少しくらいつまずいたって転んだって構わないから、せっかく出会った人ともっともっとおしゃべりしたいというのが私の本音だ。
また、コスタリカで言われて嬉しかった言葉の一つに、「テイク・ユア・タイム(急がなくていいよ)」がある。ありふれた声かけだが、あそこで聞くと本当に「ああ、急ぐ必要ないんだ」とほっとする。たぶん誰も急いでいないからだ。そして初めて、「急ぐこと」がどれだけエネルギーを要するのかに気づいた。パソコンやケイタイの読み上げ機能を超高速にして聞き、試験問題を時間内に解き終わるために試行錯誤するのを当たり前だと思っていたが、もし社会全体が「早くやること」に価値を置かなくなったとしたら、私は、いや誰もが、そのために使っていたエネルギーを他のことに差し向けられるのではないだろうか。
この違いは、先に書いたようにハード面が整っていないからこそ生まれるのかもしれない。物が上手く動かなければ、むやみに心配しても仕方ないし、時間がかかるのは当たり前、そして助け合いが不可欠だ。インフラや機器が整っていると、私は少し大変でも自分でやるべきか、助けを求めるべきか迷ったりするが、整っていないのであれば、迷わず助けを求められる。そして、自動販売機の代わりに人がスタンドで飲み物を売り、運賃箱の代わりに運転手自らバスを降りてお金を受け取ってくれる環境では、助けを求める機会はいくらでもあるのである。
ちなみにコスタリカは、ハード面のバリアフリーにも力を入れている。バスの中には優先席があったし、ハイキングコースの看板には点字とおぼしきものがついていた。特に、コインに点字がついていたのには驚いた。ただ、そういった点字は読むには大き過ぎたり小さ過ぎたりして、あくまでおしゃれなデザインの域を出ていない。
この国の強みは、だから最新機器よりももっとずっと頼りになる、人々の自然さ、大らかさ。世界中どこにでもあるはずの、でも時々表に出にくくなっているもの。そういう意味では、コスタリカはバリアフリーが進んでいるのではなく、まだバリアが生まれていないと言うべきかもしれない。(次号に続く)

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