お知らせ
第4木曜定例作業会@逗子 2月
今回はいつもの製本作業に加え、3月25日(日)の地域イベント、逗子トモイクフェスティバルの準備もしました。
逗子高校時代に一緒に絵本を作ってきたボランティア部のSさん、今やすっかりキレイな大学生になって、続けて参加してくれています。春休みにまた1冊打ってくれるって、本当に嬉しいことですね~♪
イベントでは、点字タイプライター体験として、シートのしおりにお名前を打っていただきますが、今回はテーマの海・山にあわせて、シートを葉っぱや貝の形に切っています。図案は、絵本ポストも作ってくれた画才豊かなKさん!なんと点字の点の色付けにも挑戦中~キレッパシのシートがどんどん素敵になっていく・・乞うご期待です!
本日のご感想は、こちらもアーティストのOさんです!
いつもの作業会は健常者だけで行っているので、いつか目の不自由な人達と一緒に出来ればと・・・きっと楽しいと思う。きっと!
ところでKさん、これは誰かな~?大荷物で、いろいろすっ飛ばして、ガンガン歩いている、この人は・・?
全盲大学生海外初一人旅、コスタリカ環境保護ボランティア紀行 その6(最終回)
度々私事で大変恐縮ですが、全盲娘の海外初一人旅、コスタリカ環境保護ボランティア紀行、『点字ジャーナル』連載の第6回(最終回)です。お付き合いくださった皆様、ご意見ご感想、温かい励ましをお寄せくださった皆様、本当にありがとうございました。
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★20歳の春、忘れられない3週間inコスタリカ★
(6)「途上国」ということ(最終回)
いま、3週間のコスタリカ滞在を終えた私の胸には、ひとつの大きな疑問がある。
「途上国っていったいなんだろう?」
コスタリカは途上国だ。治安が良く、政治や経済の面でいくつも先進的な政策を行っているが、欧米や日本と比べたら途上国と言わざるを得ない。
しかし、何をもって途上だと言うのだろう。
たしかに、私が泊まったボランティアハウスのシャワーは水、しかもたびたび出なくなるので、翌朝までシャワーを浴びられないこともあった。洗濯機は私にとっては生まれて初めて見る2層式。30度を越す暑さのなか道端に座り込んで、2時間待ってやってくるバスにエアコンはない。
しかし、私たち先進国から来たボランティアが、そんなことに一喜一憂しているかたわらで、ティコス(コスタリカ人)たちはのんびりコーヒーを飲みながら笑い合い、ふらりとお互いの家を訪問し、夢中でサッカーを観戦している。日本語の挨拶を覚えてくれたり、オセロのようなゲームのコマに触ってわかる傷をつけてくれたり。物理的に快適とは言えない環境が、物への執着を和らげ、人をおおらかに、人間関係を密にするのだろうか。根本的な温かいものがそこにあり、なぜこの人たちの住む国が何か不完全なもののように言われるのか腑に落ちなかった。
思えば、物は本来人間の生活を補うために編み出されたはずなのに、いつしか立場が逆転し、物には出来ないことを仕方なく人間が補うようになったのではないか。そして物の発達によって効率の良い生活が実現すればするほど、そうでないことが許せなくなり、人間にさえ物に負けないくらい効率の良い存在であることが求められる。結果、人同士の煩わしいコミュニケーションが減り、出来るだけ1人で早くなんでも出来ることが良しとされ、人々は同じ空間にいるにも関わらず孤立していく。
食事時には特に、そう感じずにはいられなかった。なぜかティコスたちとボランティアは別のテーブルについており、ティコスたちがおしゃべりに興じている横で、私たちボランティアはスマホやテレビばかり見て、会話は途切れがちだったのだ。言語も文化も考え方も違えば、話すのが億劫になったり、時には痛みを伴うことだってある。それでも、1人で画面に向き合うより、限られた時間しか一緒にいられない人々と語らうほうが大切ではないか。その構図に抗いきれなかった反省をこめて思う。
いまの私には、途上国という言葉が単にGDPがどうの、インフラがどうのといった、事実だけを意味しているとは思えない。物質的に豊かなことこそが発展の証であり、しかも、そうでない国の人たちは知能面や精神面でも劣っているという、恐ろしい偏見が潜んでいるような気がするのだ。
コスタリカに発つ前、私のなかにはたしかにそんな偏見があった。だからこそ、ホームページの「途上国でボランティア」というフレーズに、なんの違和感も覚えなかったのだ。彼らの私に対する自然な態度に驚いたのだって、その裏返しと言っていい。しかし実際は、当たり前だが、助けられ教えられ続けていたのは私のほうだった。自然の知識や、現地での暮らし方もそうだが、何よりも他者への思いやりや心の持ちようについて、多くのことを教わった。「途上国でボランティア」は、自分が楽しい体験をさせてもらう気満々なのに、あくまでボランティアの名を借り、無遠慮な好奇心丸出しでやってきた私を、それでも「人生最高!」と言って受け入れてくれた彼らの器の大きさがあってこそ成り立つのではないかと、なかば本気で思ったほどだ。
この文章を書くために最新の機械をいじりながら何を言うか。たった3週間で、コスタリカの何がわかる。そんなふうに突っ込まれたら、理路整然と答えることなどできない。それでも私は、20歳の春に自らの足で異国に向かい、素晴らしく温かい人々と出会い、自分の身体で感じて獲得したこの視点に誇りを持っている。ちょっぴり恥ずかしいけれど、ここで皆さんに読んでいただけて良かったと思う。
この先もこの視点を変わらずに持ち続けるのか、違う考えを持つようになるのかはわからない。でも、いまこの瞬間考え感じていることを忘れることはない。今回の旅を通じて、将来日本とラテンアメリカの間にある環境問題に取り組むという夢を与えられたからだ。コスタリカと何かしらの関わりを持ち続け、何年かしたら、私はどんな文章を書こうと思うだろう。いまから楽しみだ。
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★20歳の春、忘れられない3週間inコスタリカ★
(『点字ジャーナル』連載(全6回) 2017年9月号~2018年年2月号)
~~バックナンバーは、こちらからどうぞ~~
(1)旅の始まり https://unileaf.org/4903
(2)吠え猿の森 https://unileaf.org/5033
(3)モンテ・ベルデ https://unileaf.org/5099
(4)コスタリカで考えたバリアフリー https://unileaf.org/5176
(5)蝶を追って https://unileaf.org/5271
利用者さんからのお便り 真冬
1月後半から2月半ばまでにいただいたお手紙です~今月はいつもとちょっと違うお便りがあったのでご紹介しますね~♪
◆関西の盲学校3年生H子ちゃんのお母様から、図書カードと一緒に素敵なお申し出が・・!絵本への思いが何より嬉しいです♥こんなことって初めて~!
ユニリーフの絵本を利用させていただくようになって、まだ間もないですが、本当にすばらしい絵本だと思います。(中略)点訳など、その他のことで、離れていてもお手伝いできそうなことがありましたら、ぜひ何かさせていただきたいと思いますので、お知らせ下さい。(点訳ボランティアをされているので、早速点字データの編集をお願いしました~!)
◆4年生の国語授業に貸出した神奈川県公立小学校の先生から。子どもたちの反応が素敵!
子どもたちは頭を寄せあって、点字にさわり、絵本を楽しみながら読んでいました。その後に、「なんで点字なのに、絵もあるの?」と問いかけると、「みんなで読むから!」と。手話体験や車いす体験、点字体験(自分の名前を点字で表す)をし、その後に「だれもが関わり合うために」で、それぞれ関心をもったことについて調べ、発表しました。おかげさまで、とてもよい学習ができました。校内の教職員にも紹介しました。
以下、省スペース、お許しください~
◆チンチン電車のはしるまちがおもしろかったです。(東京の盲学校1年生F雄クン、点字)
◇ダジャレの本は笑いながら読んでいました。(中略)1年生も終わりになり、F雄は読むのも打つのも速くなってきました。ユニリーフさんの本はそんなF雄に物語という色を付けてくれる大切な存在になりました。(上記F雄クンのママ)
◆あらしのよるにをまた貸してください。(神奈川の5年生M実さん、点字)
◆いつも楽しみに絵本を待っております。あらしのよるにシリーズが全部読めてよかった!と息子が満足気に言っておりました。(東京の盲学校3年生K大クン)
◆雪が降り、ゆきのひのお話や(はたらきものの)じょせつしゃけいてぃーのお話が、楽しく読むことができました。(東京の盲学校2年生T吾クン)
ホネホネさんとラージャのカレーが好きなようでした。自分で本をめくるのも好きになっています。(神奈川の年長さんR太朗クン)
◆最近本がとても好きなK之介、何度も読んでとせがんできます。妹がよんでる本もよこどりしちゃうくらいです。(神奈川の園児さんK之介クン)
◆「かわいいお話とか?」「動物が出てくるお話とか。」等と言っていました。(東京のオバケ好き、1年生のK真クン。そろそろオバケはないよとのお知らせに)
◆最近「死」について話すようになりまして「死んだらどうなるの?」とか「悲しいよね」とか話しています。何かそのような内容の絵本はあるでしょうか?(千葉の年中さんY奈ちゃん)
◆九州の4年生T太くんも、点字の感想文ずっと続けています。えらいっ!
(『時計つくりのジョニー』)ジョニーはとても作るのが好きな男の子なので、すごいなと思いました。僕は昆虫は苦手だけど、調べたり本にのせたりするのは好きです。自分でやりたい気持ちがあって、一人で歯車をもらいに行ったりしていたのですごいなと思いました。
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皆様から寄せられたお便りは、ご本人が特定されないような配慮のもとに、当HP、FBに掲載させていただくことがあります。掲載は困るという方は、事前にご連絡くださいますよう、よろしくお願い致します。
返却本の保管ポストができました!
見て、見て、立派で可愛いでしょう~
返却されてきた郵送袋を保管する専用ポストができました!
郵便屋さん、普段はお天気が悪いとビニール袋に入れて置いてくださるのですが、先日お天気の急変で夜帰宅したら袋がいくつもぐっしょり・・緩衝材のおかげで幸い本は無事でしたが、懸案でした。
たまたま新年会でいろいろな話をするうち、作ってあげるよ~!というお声が上がり、ものの10日後、こんなに素敵なポストが届きました!(ちょっと可愛過ぎて気恥ずかしい・・!?)
製作者のK さん(写真左下)は「趣味だから~」と製作費も受け取らず・・絵も描かれる多彩な方です。次はワークショップのイラストもお願いする予定~♪
人が集うって面白いですね~!何が出てくるかわからない!ユニリーフ自慢の愉快な仲間、楽しい出会いにあなたも是非~♪