第4木曜定例作業会@逗子 10月

10月26日、第4木曜定例作業会をしました。今回は全国の盲学校へ本を送付寄贈するため、いつもとはちょっと異なる作業。にこにこしながらも、ぶっ続けで最後まで仕上げてくださったOさんにご感想をいただきました↓
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雨続きの空がやっと晴れて、きれいな青空のもと定例の作業に集った少数精鋭の仲間。

楽しいおしゃべりが続く中、口だけではなく手も一生懸命動かして発送作業は進みました。視覚障害にも絵本にもとても関心があった私は、逗子市のお知らせの中に点字の絵本をつくるという講座を見つけて張り切って申し込みました。一年ほど前のことです。

それからまもなく、長年勤めた会社を定年退職したり、介護していた父親が亡くなったり、新しい仕事についたり、引っ越したりと結構重要な変化が次々と起こりましたが、始めたこのボランティアの作業は、仲間のユニークさや、大下さんの魅力(なんか手伝わずにいられない感じ)もあいまって続いています。

私は、点訳の作業にもまして、本の修理が好きで毎回要修理の絵本を持ち帰っては修理させていただいています。

 今日の作業は今までと違って、ユニバーサル絵本を全国の盲学校に送る発送作業の準備でした。ラベルを切り揃えたり、封筒に貼ったり、ユニリーフのゴールドエンボスラベルを作ったりと、Oさん曰く「こんなアナログな作業は昭和生まれじゃないとできない」という手内職のような、家内工業のような昭和生まれの私には何だか楽しい作業でした。

ゴールドラベル(と私が勝手に名付けた)の角を丸くカットする工程があったのですが、こういう単純作業は、何度もやっているうちにだんだんと効率が良くなり、コツのようなものが自分なりにわかってきて、始めたばかりの時の自分に比べて最後のほうはちょっとベテランの気分になり、もういいよと言われてもやめられなくなって最後の一枚までやってしまいました。(手がちょっと痛い)

今日も楽しい作業でした。これからも微力ではありますが、何かのお役に立ちたいと思い、皆さんと一緒に続けていくつもりです。

 

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利用者さんからのお便り 9月末~10月

今回は新たに、可愛いお絵描きやら、点字のお手紙やら、たくさんいただきました。とっても嬉しいです♥ご紹介していきますね~

◆初めは、神戸の普通小に通うY香ちゃん。2才の妹ちゃんと、いつも楽しいエピソードがいっぱいです。

今月は大好きな”バムとケロ””バーバパパ”シリーズがあり、繰り返し読み、見ていました。せんたくかあちゃんでは、2人ともたくさん笑っており、妹のお気に入りになりました。めっきらもっきら~は姉は怖がり、妹はキャーキャー喜んでいました。夜寝る前、”バムとケロ+めっきらもっきら~”を読んだところ・・。Y香の夢は・・。自宅に大量の虫が出てきて、ベランダには妖怪のような中年男性が住みつくという、世にも怖い内容でした。寝る前の本選びは、大事だなと思いました・・。(笑) 

◆動物がmyブームの東京の幼稚園生、K実ちゃん。

本の題名を伝えると、真っ先に「あしたうちにねこがくるの」を読んでと言われました。動物熱(ペット熱?)すごいです。読んでみたら、色々と面白い想像して心配するK実そっくりな女の子で、親子で大笑いでした。「およぐ」もやはり経験してることなので、すんなり頭に入っていく感じで聞いてくれました。子供の興味のある本をいつも考慮していただけて、感謝感激です!

 ◆初めていただいたお絵描き、ありがとう!栃木のA子ちゃんは盲学校の2年生。

 学校でも点字の学習が始まり、点字が読めるようにがんばっています。(まだ手の動かし方の練習中ですが・・)
テレビでは「笑点」が好きで、よく見ています。特に春風亭昇太さんが好きなので、近くで落語会がある時には見に行ったりしています。学校でも、先生が落語のCDをかけてくれるそうで、正座して聴いているみたいです。落語女子ですね。先日、東京へ行った時に電車に乗って、乗り物に興味が出てきたようなので、バスや電車などの乗り物の本をリクエストしたいそうです。

◆いつも本棚見てくださる東京のT男クン、盲学校2年生。弟クンとの絵本生活が素敵です。

リクエストです。しろくまちゃんのホットケーキ/あーんあん/くもりのちはれ せんたくかあちゃん/ブルドーザーとなかまたち/うさこちゃんひこうきにのる
しりとりのすきなおうさまは、トマト・トースト・トマト・トースト・トマト・・と二人で大笑いして楽しみました。自宅にあるせんたくかあちゃんが大好きです。ユニリーフの本棚から本を選んでいた弟が「せんたくかあちゃん!でも違う?」と見つけました。兄はお天気にも興味があり、「くもりのちはれ」がツボだったようです。早く来るといいねと楽しみにしています。

◆夏休み明けから新規のご利用は、東京の盲学校1年生、K介クン。

着いたその日から、嬉しそうにしていました。まだ、読むスピードが遅いので、私が読んであげました。妖怪の本はやはり食い付きが良かったです。内容や長さもちょうどよかったです!

◆こちらも新規、東京の盲学校3年生、K大クン。長い本がご希望。

息子は”あらしのよるに”シリーズが読みたいと言っておりました。

◆東京の盲学校1年生F真クン、点字のお手紙書いてくれました!

今回の本で、「おかしなおかし」のいいまわしが気に入ったようで、ケラケラ笑い転げていました。また「あめのひのえんそく」では、本もフィルムも同じ形に切ってあるのが面白かったようです。毎回新しい発見をさせていただき、ありがとうございます。

◆点字をがんばっている幼稚園生Y紗ちゃん。

点字がだいぶ読めるようになってきて、絵本を楽しんで読んでいます。「のれたよ、のれたよ、自転車のれたよ」という絵本はありますか?

◆いつも点字のお手紙くださる福岡のT貴クン。お手紙そのまま載せますね。

「はちこう」の話がとても気に入ったようです。なぞなぞは毎日読んで、答えを家族に聞いて、「正解!-」とか言っているのが楽しかったようです。

◆最後は、新規に学校貸し出しが始まった神奈川の普通小学校。5年生のMちゃんは挑戦している点字盤でのお便りをくださいました。「くす玉」作りがブーム!?

次の本、おりがみの、難しい折り方の本はありますか。あとは、いろんな種類の本を貸してください。

 

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皆様から寄せられたお便りは、ご本人が特定されないような配慮のもとに、当HP、FBに掲載させていただくことがあります。掲載は困るという方は、事前にご連絡くださいますよう、よろしくお願い致します。

 

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全盲大学生海外初一人旅、コスタリカ環境保護ボランティア紀行 その2

度々私事で恐縮ですが、今春、全盲の娘が海外初一人旅、コスタリカに環境保護ボランティアに行ってきました。その紀行文が『点字ジャーナル』に掲載されています。連載第2回目、よろしければどうぞ読んでやってください。
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★20歳の春、忘れられない3週間 in コスタリカ★

(2)吠え猿の森

コスタリカ北西部、バラ・オンダ国立公園の朝は、厚みのある小鳥のコーラスをバックに木立ちを渡って響き合う、吠え猿の声と共に始まる。毎朝決まって5時半にその声で目を覚まし、部屋の裏手のハンモックでひんやりした夜明けの風に吹かれながら本を読むこと30分、空気がふっと暖かく緩む感触で、私は太陽が昇り切ったことを知る。「中南米では、人間は時間をあまり気にしないのに、動物は時間に正確なのね」と、帰国後私の話を聞いたメキシコ人の友人が笑ったほど、猿たちの体内時計はくるいがなく、ただただ驚くばかりだった。
そんな吠え猿たちを追って森に入り、個体数や生態を調査するのが、「猿プロジェクト」だ。バラ・オンダにはもう1種類尾巻き猿が生息しているが、吠え猿の方が圧倒的に遭遇率が高い。調査に同行させてもらう中で、私は彼らの生活や、そこから見えてくる森の有機性、かつて伐採された森を蘇らせる人々の努力について多くを学んだ。
彼らの存在を最初に知らせてくれるのは、そのよく響く特徴的な声だ。猿というと甲高い声を想像しがちだが、吠え猿は名前のとおり、迫力のある太い声を持っている。ちょうど、大きく口を空け、のどを震わせながら長く息を吸い込むと、似たような声が出る。実際猿を専門にしている公園スタッフは、そうやって猿たちと会話していた。私が森の中で誰よりも早くその声に気付いて、みんなに知らせることができたときは、ちょっぴり誇らしかった。
もともと黒い体をした吠え猿たちだが、群れの中には、脚や尻尾に白い毛の混じるものがいた。皆若い個体で、近親交配を繰り返して血が濃くなりすぎた証拠なのだという。普通猿たちは大人になると生まれた群れを離れてほかの群れへ移って行くのだが、森林伐採と農地拡大の結果、生息地が分断されて群れ同士の交流が難しくなり、同じ群れの中だけで繁殖せざるをえない状況がおきているそうだ。近親交配で産まれた個体は、病弱だったり奇形だったりする場合があるだろう。森林伐採による生態系の破壊については以前から興味があったが、もっと小さなレベル、今生きているいきもの1匹1匹の体に害が出ていることを知りはっとした。
森林伐採とその後の植林の様子は、森のいびつさにも表れていた。森を歩いていると、ある地点を境に空気ががらっと変わるのだ。原因は木々の大きさである。太陽がまともに照りつけてくるひらけた場所では、樹は低く日本の街路樹ほどの太さで、幹は真っ直ぐで凹凸が少ない。一方陽が遮られ、空気がひんやりとみずみずしく濃密な場所では、樹の高さは50mを超え、本当にこれが1本の樹なのかと疑うほど太く堂々としており、巨大な岩のような幹には洞やこぶが無数にある。これが、2、30年前に植林された若い2次林と、200年の時を経てきた原生林の違いである。今でこそコスタリカはエコ先進国と呼ばれたりするが、そうなるまでには、森を蘇らせるための地元の人々による地道な植林作業があり、その努力は今も続いているのだ。
その植林作業の一端に、私も参加した。動物たちが食べ残した木の実の種を集め、植林に適した苗木に成るまで育てるのである。種は厚く落ち葉の積もった森の地面にこれでもかというほどたくさん落ちていて、6人で1回に200個以上ひろえた。種は薄い皮をかぶった小さめの椚どんぐりのようで、手で触るとすぐにみつけられる。とは言え途中から私の役目は、みんなが拾ってくる種をカウントすることに変わっていたが。公園内には、たくさんの苗木の植木鉢が並んだ一角があり、みんなでおしゃべりしながら水やりする一時は、とても楽しく安らいだものだった。
私がコスタリカをさる数日前、私が拾って植えた種から小さなかわいい芽が出た。この芽が数十年後には小さな樹となり、数百年後には辺りを圧する大樹となって、吠え猿やほかの森の動物たちの命を支えるのだろうか。植物、動物、人間が共に繋がり合って続いていく森の命のプロセスに係われたこと、その中に私がコスタリカを訪れた証をこっそりと忍び込ませられたことは、宝物のような大切な思い出だ。(次号へ続く)

 

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全国盲学校寄贈用の本がほぼできあがりました!

10月16日、全国68全盲学校に寄贈する絵本の、最後の18冊を仕上げる作業をしました。大雨の中、駆けつけてくださった精鋭お二人、私がアバウトに手を出すと、「オオシタさん、いいです!」とさえぎってくれる頼もしさ。期待にたがわぬ正確かつ集中した仕事ぶりで、時間を延長し、なんと全部完成させてくださいました!

今回は、そのK子さんのレポートでお届けします。

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今回大下さんと視覚障害の事や、たわいもないお喋りをしながら楽しく作業が出来ました。 

「昔は手仕事が多く、今よりも大変だったはずなのに、現代の方が心の病が増えているのは、余計な事を考える時間が増えたから?」なんて話をしながらの細やかな手作業は、先端の感触に心を配る優しさなど、とても大切な事を教えて頂きました。

集中し無心になれ、完成した時には心の栄養を補給した様な爽快感でした。

視覚障害とは無縁だった私ですが、ご縁を頂きお手伝いをさせて頂けることに、感謝の思いでいっぱいです。

 

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ユニバーサル絵本製作講座 初日

10月14日、ユニバーサル絵本製作講座の初日、今回は主にSNS経由で横浜方面を中心に4名の方がご出席くださいました。逗子まで来てくださるなんて、有難うございます!

少人数の上、なんとなく絵本でつながっている方ばかり、初めから和気あいあいと楽しい雰囲気で進みました。

が、点字を打つ段になるとムズカシイ・・の声が上がり始め、時間も押してやや消化不良のまま次回持ち越しに・・最後は、点字タイプライターでしおりに名前を打ち(皆、スラスラ~!)今日の記念にしていただきました。

大勢の方にアピールする派手な活動ではありませんが、いらしてくださるのは思いのある方ばかり・・そんなご縁が広がるのは何より嬉しいことです♥いくつもの「楽しかったです!」とのご感想に安堵し、無事終了となりました。

 

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