【建長寺”さわる”模型】建長寺境内古絵図ツアー

広大な建長寺様境内を描いた古絵図「延宝図」に沿って、今はなき旧跡などを巡るツアーに参加しました。ガイドは建長寺様をこよなく愛し、長年修理に携わる建築士のTさん。ブロンズ模型製作を担ってくださる方です。

この日の参加者は、円覚寺で草刈りのボランティア(!)をされている皆さん、さすが鎌倉ですね。主要伽藍の先を東側からまわり、巨福主山を登ります。知る人がいないとちょっと入れない所ばかり、という説明に興味津々。

初めは、干上がって水がなくなっていた旧池跡に、Tさん自らが工事され水をたたえたという亀池に。水量が増えても近くのお堂は流されないような設計になっているそうです。

鎌倉時代から変わらないと言われる水のしたたる崖を横目に、山に入っていきます。途中、道の左手に幅2~3mのいくつかの段が。ここは昔、平家がそこで首をはねられたと伝えられる地獄谷。道に沿った溝は、血が水で流れていくよう掘られたのだとか。

山道に平場が現れると、そこは高僧を供養するために建てられた小さな庵(塔頭=たっちゅう)の跡。鎌倉は平地がないため、谷を削りその土でならして平場にしたそうです。その数、全部で49院。

ワメキ十王岩下の古道にはいくつも横穴が掘られており、やぐら群がぐるっと50穴ほどもあります。目を引いたのが、天井に紅い平行線が付けられた朱垂木(しゅだるき)やぐら。やぐらを建物に見立て、垂木を描いたそうです。中世、こんな山奥で思いを持って仕事をした人々が確かにいた証・・

若宮大路を望む十王岩周辺は、ハイカーで結構な混雑!途中、イケメンくんを先頭に、息を切らして歩くNHKBS番組のクルーにも遭遇。そして、ようやく建長寺の最奥座敷、勝上獄(しょうじょうけん)展望台へ。相模湾を見渡し、曇りながらかすかに富士山を望む絶景です。

山頂には、過去に建長寺が火事で何度も焼けてしまったことを嘆いてか、火災消滅塔という小さな石の塔がありました。いくつかの石がなく、「元どおりの形にしたい」とはTさんの願い。

天空のお堂、地蔵堂をお参りし、お手洗いの脇から登って大覚禅師座禅窟を拝見。小さな冷たい空間に、当時の厳しい修行を思います。

斜面にはたくさんの天狗像。これでは触れない、3D模型ほしいなぁと願いつつ、山を下って行きました。途中、一輪の河津桜に歓声!

お昼は皆さんでけんちん汁をいただきました。2時間強、清々しくも結構な山道でした。が、驚いたことに最高齢の方は何と80代後半。東京から週2回、草刈りボランティアに円覚寺に通われているそう!健脚で何より姿の良い生き方に、私もあやかりたい・・としみじみ。

午前の2時間ほどですが、素敵な方々と心洗われる時間を過ごさせていただきました。クラウドファンディング、ご寄付にこんなリターンだったら素敵ではないですか!?

 

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