【建長寺”さわる”模型】台座石ははるか四国から

「花崗岩のダイヤモンド」、超高級石材として名だたる庵治石(あじいし)を、模型の台座に使えたら・・!?墓石材等利用されるのはわずか3%、他は捨てられてしまうそう。それを安価で譲っていただけたらと、石材業1200年の歴史を誇る高級庵治石の産地、香川県牟礼町(むれちょう)を訪ねました。

重要文化財修理も担う建築士さんの案内で、建長寺様、模型工房さんと総勢4名、12月21日、朝イチ+最終便の飛行機日帰りツアーです。

瀬戸大橋を渡り、初めての四国へ。山麓の石の町、牟礼町は、どこの角を曲がっても石、石、石!唯一見つけたクリスマス飾りのトナカイとサンタさんも石製でした。

訪問した中谷石材様のギャラリーには、同じ庵治石ながら職人技の仕上げで全然趣の違う石の作品が並んでいます。

バックヤードには、天地を切りその表面をツルツルに仕上げた大きな石が。1/50の仏殿模型をのせてみると・・自然の風合いがとてもしっくり。灰色を帯びたまだら模様が有名な庵治石ですが、黄色味のあるもの、緑がかったものも素敵でした。

続いて石の採掘場へ。穏やかな緑色の瀬戸内の海を臨み、広い空と清々しい空気。ここ牟礼町、庵治町で平安時代から続く伝統を受け継ぎ、限りある資源を大切に扱われている方々の山・・

ここから遠く鎌倉まで来て、ブロンズ模型を支えてくれるのか・・ととても誇らしく貴いものに思えました。

利用には至らなかった石の山にもお連れいただきました。素人目にはどれも立派に見える石の数々。どんなのがいいのだろうとイメージを膨らませます。

工場にも伺って、直径1m以上もある吊るされた丸い刃が、固い石を切削する様子に驚きます。水しぶきをあげながらブラシが回り、石を磨く様子も拝見しました。

見るもの聞くもの初めてのことばかり。台座に据えられる自然石のこうした背景を一つ一つ確かめ、きっと模型を見る度、この地の清々しい空気と緑色の海、連綿と続く人々の思いをいつも思い出すだろう、ブロンズ模型もそんな石のオーラをいつも感じることだろう・・と思えました。

お昼はもちろん讃岐うどん!お腹も頭も心も満たされた、充実の1日。中谷石材様、この度は本当に有難うございました。何もかも新しく貴重な経験となりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 

カテゴリー: お知らせ, 建長寺”さわる”模型プロジェクト