ウグイスの初音も初々しい3月。第9回「建長寺“さわる”模型を囲むお話会」を開催しました。
ご参拝者は少なめでしたが、模型前を訪れたのは1時間で182名。活動は静かに、しかし確実に広がっています。
三門先では、三門再建当時の建長寺伝説を紙芝居で紹介しました。楼上の五百羅漢像にちなみ、羅漢さんのてあそびうたを行うと、若い女性やスタッフたちから「楽しかった!」実物の三門を見上げながらその物語を聞く、贅沢なひとときです。
参道途中では、プロジェクトリーダーのOが「模型誕生ストーリー」をお話しました。木造文化財建築の“さわる”ための模型は、例のない挑戦。多くの困難を皆々様の善意と情熱で乗り越え、実現しました。話し終えると拍手が起こり、「模型が増えてほしい」と言うと頷いてくださる姿が。想いはまっすぐに届いています。
模型の前では、当事者スタッフのAさんが説明を担当。この日は歴史や建築の解説は減らし、目を閉じて模型をさわる体験を提案しました。
方法はシンプルです。
①まず、2つのルールを共有
・両手でさわる
・全体 → 細部の順でさわる
(こうすると、頭の中で建物の全体像が組み立てやすくなります)
②Aさんがさわり方を実演
③実際にさわってもらう
この手順で体験していただくと・・
参加者からはこんな声が上がりました。
・見ていたときより、さわったときのほうが奥行きを感じる
・工事中で見えないのに、本殿を自分が見ているような感覚になって驚いた
・さわり方の説明がとても良く、楽しめた
体験は途切れることなく続き、約30名が参加。順番を待つ方々からも、わくわくした雰囲気がよく伝わってきました。Aさんはこう話します。「いつもより、皆さんと濃密に触れ合えた感じがします」さわることで、自然な対話が生まれています。
今回の気づきの一つは、「当事者によるさわり方の提示」が、さわる体験の驚きや面白さを大きく引き出すということ。
見える人も見えない人も、同じ模型を囲み、同じ手を使い、同じ建築を知る。それは単なる福祉の取り組みにとどまらず、学びの形を広げ、文化財の新しい鑑賞の方法を示す試みでもあります。「共に生きる」未来への一歩になるかも・・そんな予感を感じさせるひとときでした。
体験を大切にする「禅」。私たちは、この取り組みをここ建長寺様から始めることができたことを幸せに思っています。そしていつの日か、この“さわる模型体験”が、全国の寺社や文化財へと広がっていくことを夢見ています。
【次回のお話会】
■4月11日(土)11:30〜12:30
見て、聞いて、触れて——五感で味わう建長寺体験。
ナビゲーターのAさんと共に、模型をさわりながら新しい仏殿の姿を体験してみませんか。
文化は、見るものから、触れて理解するものへ。
※本活動に関心をお持ちの方は、お気軽にお声かけください。










