お知らせ

鎌倉市インクルーシブ教育シンポジウム 2/1

2026年2月1日(日)鎌倉市のインクルーシブ教育シンポジウムに、保護者の立場から、ということでお声かけいただきました。

きっかけは、模型や絵本をもっと知っていただきたい、学校で扱っていただけないかと教育委員会にご相談に行ったこと。鎌倉で広く活動されるK様が繋いでくださったおかげです。まさかこんな展開になるとは!?

教育長の基調講演、パネラーは幼稚園の園長先生、小学校の先生、特別支援学校の校長先生、教育委員会の方と教育がご専門の方ばかり。そこに、イチ母の私。

今頃・・困ったなあ。というのも、特殊教育が特別支援教育に変わり、全盲の我が子が横浜市第1号で普通小学校に入れるようになったのは、もう20年以上も前。親も若く、なんとか皆と良い時間にと熱が入っており、葛藤は常にありました。心身ともにいっぱいだったあの頃を掘り起こす作業・・

良かったことだけでなく、失敗したこと、うまくいかなかったことも、隠さず一生懸命お話しします。素人だしデリケートな話題でもあり、涙なしに話せればそれでお許しを・・これからの方のお役に少しでも立てれば幸いです。

ご興味のある方、鎌倉女子大にどうぞいらしてください。会場でお声かけてくださいね。詳細はチラシにて。よろしくお願い致します。

 

【建長寺”さわる”模型を囲むお話会】お話会 第六回

お話会も師走、6回目になりました。

読み聞かせは今回、三門下から参道入り口へと場所を変えて試行。レトロな紙芝居の舞台とマイクの声に誘われて、徐々に足を止めてくださる方が増えてきます。

荘厳な三門を背に、再建にあたっては裏山の狸までが関東一円を勧進に歩いたとの伝承に、しばし二百五十年前に思いを馳せるひととき・・

おとなり円覚寺横田御老師著『パンダはどこにいる?』、こんな絵本を通じ「禅の心」に触れてみるのもこのお話会ならでは。

参道入り口では、模型+修復前の仏殿を大きく写すパネルに見入る方も。覆いの中の仏殿の雄姿を思い描くお役に立てれば何よりです。

模型前は、おかげさまで今回も盛況。模型に近寄れず、さわるのをあきらめてしまわれた方もあったそう。お一人お一人との会話も、仏殿建築の見どころなど大勢に向けてのトークも、どちらも同じように大切。

実は、この場もばっちりユニバーサルなのお気づきですか。支えているのは、目の不自由なスピーカーにもお客様にも、終始心を砕いているスタッフ。「その場が見えている者として状況を的確に伝え、双方ともに楽しい時間が共有できるようなお手伝いを心がけないと!」(A.O.)

スタッフとて目の不自由な人と接するのは初めてです。が、毎回質問がびっしり、真摯に取り組んでいます。感謝とともに、やはり混ざることだな・・と実感します。

笑顔でチラシを配るスタッフにとっても発見が。「私はこれまで、模型は見るものだと何となく思ってました。大きすぎて全貌が見えないものも、小さいと見える。 でも、この活動に誘っていただいて、触るってアリなんだなと気付きがありました。知らないこと、いっぱいあるね。おもしろいなあ」(T.K.)

その昔、海外の模型を評する記事に「互いに話し、互いに学び、互いに興味を持つ・・」とあったのを思い出します。「共に生きる」一歩、きっかけは確かにある、のかな。

おかげさまで、たくさんのご縁と大きな学びをいただいた1年となりました。本当にありがとうございました。

次回新年1月10日(土)、建長寺でまた元気にお会いできますように・・どうぞ良いお年をお迎えください。

 

 

小学校で福祉授業をしました

10年ぶりの小学校での授業、4年生9人!?何でもできるなぁ、何やろうかなぁ・・

逗子市立小学校の福祉教育に呼んでいただきました。手話さん、車椅子さんとご一緒に、子供たちが好きな授業を選びます。

私の願いはやはり、点字は人の可能性を開いた人類の大発明、というポジティブなイメージを持ってもらうこと。障害者は特別な人ではないと感じてもらうこと。

点字だけの真っ白い絵本を紹介

教室に入ると、パソコンでユニリーフのHPを開いて「これ?」と持ってきてくれる、さすが今どきでビックリです。点字の仕組みタイムもみんなとっても一生懸命、書いてみましょうと言うと、1つでいいのに4つも5つもやっている。

今回初めて、班に分かれて点字しりとりをやってみました。紙に枠が5つしかないのに、自分でどんどん継ぎ足して長い単語を書いている。自由だなぁ、さすが小学生、楽しいな~

点字は書きになると鏡文字で一気にヤヤコシクなるので、今回は点字タイプライターで。滅多にお目にかかれない米国製のレアもの体験、しおりに名前を打って皆でおみやげにしました。

初めは後ろのほうでもじもじしていた子もいたけれど、どんどん発言が増えてきて、最後のほうは全員が手を挙げ意見もしっかり。終わりのチャイムが鳴っても、「5,6時間目もこれでいい!」

そしてやっぱり”さわる”模型も知ってほしいと思い、最後に少し話してみました。絵本と趣旨は同じとはいえ・・・??? いきなりはちょっと難しかったね、いつか思い出してくれる日が来るかな。

せっかくなので、先生方にもユニバーサル絵本や”さわる”模型の宣伝をさせていただきました。近くなのに全然知らなかった、とのお言葉。そうですよね~ご縁に感謝し一つ一つの機会を大切に・・

小坪小学校の先生方、逗子社協の皆様、他団体の皆様も楽しく貴重な時間を有難うございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

『みんなのねがい』に寄稿しました

絵本の活動のご縁で、『みんなのねがい』―障害者の権利を守り、発達を保障するために―という雑誌に寄稿させていただきました。2026年1月号です。

秋に光栄なお話をいただいて検索すると、1970年創刊、大学教授はじめ特別支援学校の先生など教育の専門家のお名前がずらり。歴史と想いのある雑誌、イチ母であるだけの私でよいのだろうか・・

ただ、掲載コーナーのタイトルが「人として」。畏れ多いですが、何かを決める最後にはよりどころにする言葉で、少し身近に感じ、背中を押してもらいました。

ユニリーフの活動の最も大事にしていることは、「皆一緒に」であり「共に生きる」未来です。障害があるとまず分離され、健常者には「関係ない」世界になるのが現状。生活圏から価値観まで全てを変えないとやっていけない。でも「人の幸せ」は・・?皆、悩みながら生きているのは同じ。

私は娘が目を失って、「幸せとは何か」を初めて真剣に考えた気がします。数え切れず拒絶されたからこそ、知らない子にもほんの少し温かなまなざしが注がれる、そんな社会だったら・・日々あくせくしていますが、「人として」そんな余裕を持てたらと自戒を込めて思います。

「やさしくあたたかみのある一冊でありたい」、お言葉どおりのT先生と編集のS様、この度は貴重な機会を有難うございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 

【建長寺”さわる”模型】「寄せられた声」に心熱く

「観光地に行くと、せっかく実物が目の前にあって、みんなそっちを見上げているのに、私はいつもスマホで撮った写真を拡大してスマホ見ながら観光・・(中略)仕方ないと思ってました・・」「誰もが楽しめるという観点ってどこにもありそうですがなかなかないんですよね」「実物の建物の前に置いてあるのがまた素晴らしいですね」

建長寺”さわる”模型完成から1年半余、この間、心に沁みるお声をどれだけいただいたかしれません。「感動」、「感激」、一人外に出せなかった切なさ、思いがけない共感・・

これは皆様と共有しなくてはいけない!ようやくですが時系列にまとめ、HPに掲載しました。どうぞご覧ください。そして是非、あなたの想いもお寄せください。このページがどんどん伸びて誰もがいいよね、と実感出来たら、きっと次の模型ができるでしょう。

■建長寺”さわる”模型プロジェクト 寄せられた声
https://unileaf.org/kenchoji

先日も視覚障害関係のイベントにチラシを置いていただいたら、こんな嬉しい報告がありました。お一人の心が動く、その積み重ねですね。感謝を込めてご紹介します。

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建長寺のチラシ。 ボランティアの建築の学生さんで、視覚障害は今まで全く接点がなかった子が、めっちゃ食いついてきたとのこと。

最初は、視覚障害者が景色や建造物を目で見ることができないということ自体が飲み込めなくて(考えたこともなかったのでしょうね)、 さらに、目で見る代わりに触れることで「見る」ということを知って大変驚いていたそうです。

学生に説明してくれた視能訓練士の方が、「たくさん質問してくれて、理解が進んでいく過程がかけがえのない時間だった」と仰っていました。

人から人へ、人のつながりが何より暖かく嬉しいことだと思います。
(H.M.様より)