お知らせ
新着絵本のお知らせ 11月
1.ねことらくん
2.マーシャとくま
3.いちごばたけの ちいさなおばあさん
4.はじめてのゆき
5.きつねの窓
6.クリスマスのものがたり
7.たからもの
8.ピーターのてがみ
9.メアリー・スミス
10.くだもの
11.そらまめくんのベッド
今月は盲学校寄贈絵本の発送準備で少なめでしたが、がっつり読み応えのある名作が揃っています。お勧めは読み聞かせ講座で紹介された『メアリー・スミス』、こんな職業があったんだ~!?というノンフィクションです。『くだもの』は、10月のユニバーサル絵本製作講座にご参加くださった皆様で作ったもので、多くの方が関わってくださった足跡が増えるのは本当に嬉しいこと!早速貸し出しますので、どうぞ楽しみにお待ちください♪
全国の盲学校に寄贈絵本を発送しました!
今年度の一大事業、春から準備してきた全国66全盲学校への絵本の寄贈紹介、本日郵便局から発送しました!
国立特別支援教育総合研究所の先生の特別のお計らいで、先週、先生が全国盲学校校長会会長先生のいらっしゃる長野に赴かれ、絵本を紹介ご推薦くださいました。
会長先生からは、「こういった点字シートが挟み込んである本は初めて見た、全国の盲学校に寄贈いただけるのは大変有難い」とのお言葉があり、実際に点字を読んでくださったお子さんも「大変読みやすい」と言ってくださったそうです。そしてなんと、会長先生から全国の盲学校に寄贈があること、活用について検討いただきたい旨ご案内くださることに!会長先生のお口添えほど心強いものはありません!
全国の盲学校の宛名を眺めながら、どんな子がいるのかな~と思いを馳せつつ1冊ずつ梱包した絵本たち・・1校でもお一人でも、必要としてくれる人に届きますように・・
というわけで、皆様の学校にも近日中に絵本が届きます。貸し出しは、学校宛て(是非教室に置いてください!)でも保護者様宛てでも、ご事情に合わせて対応します。本が学校に来て自分で選べたらいいなぁ~という方、是非このタイミングで学校にお願いしてみてください。こちらから学校と直接お話も致しますので、どうぞ遠慮なくお申し付けくださいね、何より子どもたちの豊かな育ちのために・・
利用者さんからのお便り 11月
返却時に本の感想や近況報告を入れてくださる方が何人もいらっしゃり、ご一緒に成長を見せていただいている思いです♥ ご紹介しますね~
◆はじめは、神奈川の3歳児K雄クン。赤ちゃんのM子ちゃんも大きくなりました。
早いものでM子も4か月、先日絵本デビューしました。K雄も大好きな「がたんごとん」ママのひざの取り合いをしながらの絵本time、幸せです。
◆ペットブームの東京の幼稚園生K奈ちゃん。本がいろいろな経験を深める助けになるといいです。
ちいさな動物好きなのは相変わらずで、幼稚園にいた別のクラスのモルモットが死んでしまい、ずっとその事が頭からはなれないようです。 先生の計らいで死んでしまったモルモットに触らせてもらい、「冷たかった」と何度も言っていました。最近は「死」についてもよく思いを巡らせて、「K奈は百万才まで生きるの」と言ったりしています。
リクエストなんですが、最近幼稚部への行き帰りの電車で私が読んだり、絵本をめくり自作の話を延々としています。簡単な本で構わないので、小さめの本をいれていただけると嬉しいです!
点字への興味も増えてきて、「あ」や「め」などを分かりやすい文字を点字シートから探そうとしてる時があります。私もそろそろ勉強しなくちゃと思ってます。
また、クラスの外国人のお友達に簡単な英語で話しかけたりしているらしく、なにかとっかかりになる本などがあれば教えてほしいです。
◆関西の普通小に通うY実ちゃん、運動会はヒップホップやリレー、毎日練習してパパが感極まるほどの「実のある体育会」だったそうです!やったネ~!!
今回の1番は”あさえとちいさいいもうと”でした。読みながら、「えー!? それはダメやわ!!」などなど叫んでおり、面白かったとおすすめされました。(中略)落語絵本もサクサク読んでおり、楽しめたようです。(中略)最近、拡大本の”エルマーの冒険”を読み、ガッツリはまりました。3シリーズ読み終えました。冒険やドキドキするような物語が読みたいようです。
◆いつも点字の感想文をくださる福岡のT太クン。「けん太と山どり」に発見がありました。
けん太は昆虫が好きだから森につかまえに行こうとすると親鳥が苦しそうにしていました。でもその結果、けがはしていなかったのでおかしいなと思いました。コジュケイという鳥がけがをしていると思えばけがをしていなくて、暗い町まできた時鳴き声で教えてくれる道案内の鳥なのですごいなあと思いました。最後のページの鳥の鳴き声の鳴き方が書いてあったので、5ひきぐらいの鳥の名前や鳴き声を鳴き方がそれぞれ違う鳥もいるんだなと思いました。
落語『かえんだいこ』は、オチがわかりにくかったよう。「見えれば、本の雰囲気が絵などで判断できますが」・・お母様のお気持ちわかります。もう少し大きくなったらきっと楽しめる!
◆東京の盲学校2年生Tくん。弟クンと一緒の読書の様子がなんとも楽しい!
リクエストです。『おむすびころりん』『もったいないばあさんのいただきます』『ぼくだけのおにいちゃん』『おやすみなさい おつきさま』『わにわにのおおけが』。(中略)5才児は本が読める(覚えている)ようになり、兄に読んでやっていることもありますが、間違って読み、兄が点字に触りながら不思議そうな顔をしていることもあり、なかなか楽しいです。
◆幼稚園合格の嬉しい便りは、神奈川のK真クン。歯みがき頑張っているのね~
「はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!」また借りたいです。
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皆様から寄せられたお便りは、ご本人が特定されないような配慮のもとに、当HP、FBに掲載させていただくことがあります。掲載は困るという方は、事前にご連絡くださいますよう、よろしくお願い致します。
神奈川県社協「福祉タイムズ」で紹介されました
神奈川県社会福祉協議会様の機関紙「福祉タイムズ」11月号(11月15日発行)で、ユニリーフの取り組みが紹介されました。県内の社会福祉関係団体、行政機関、学校他、全国の関係機関4,500か所に22,200部が配布されます。
今回、表紙には写真、裏表紙「かながわHOT情報」には活動内容が載っています。このコーナーのテーマは「県内各地で工夫を凝らした取り組みや、息長く継続している活動等、そこに参加する人の思いや取り組みの参考となるポイントを焦点に伝える」とのこと、選んでいただいたことは望外の喜びです。
一人でも多くの方のお目に触れ、絵本を知っていただけますように・・この度は、UniLeafの小さな活動に温かい御対応を本当に有難うございました。
(以下、神奈川県社協様のHPから、鮮明にご覧いただけます。)
http://www.knsyk.jp/pdf/times/294f74140a1114dbc1b0e679183ea007.pdf
全盲大学生海外初一人旅、コスタリカ環境保護ボランティア紀行 その3
度々私事で恐縮ですが、今春、全盲の娘が海外初一人旅、コスタリカに環境保護ボランティアに行ってきました。その紀行文が『点字ジャーナル』に連載されています。連載第3回目、よろしければどうぞ読んでやってください。
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★20歳の春、忘れられない3週間 in コスタリカ★
最初の週末を利用して、ほかのボランティアたちと、この国屈指の観光地であるモンテ・ベルデ(Monte Verde)自然保護区を訪れた3泊4日の旅は、私のコスタリカ滞在の中でも一つの異色の経験となった。地元人ではなくヨーロッパ人と行動を共にし、ボランティアではなくツーリストの視点でこの国を見たからである。めくるめくように楽しく、大いに考えさせられた時間でもあった。
金曜の午後、スタッフが最寄りのバス停まで車で送ってくれた。ところが降ろされた場所にあったのは、大きな樹が1本だけ。「バス停は?」ときくと、「この樹がバス停だよ。これはマンゴの樹で、ひと月ぐらいしたらおいしい実が熟すんだ」という答えが返ってきた。マンゴの樹に止まるバス!まるでジブリ映画にでも出てきそうではないか。こんな愛らしくてエコな発想が、こともなげに実現してしまうこの国に、改めて惚れずにはいられなかった。
熱帯雲霧林と呼ばれる1年中霧につつまれたジャングルの中を、吸い込まれそうな静寂に圧倒されながら歩いたハイキング、犬も猫も自由に出入りするスーパーでの朝ごはん調達など、楽しい思い出のつきないモンテ・ベルデだが、なんといっても忘れられないのが2日目の巨大ロープアスレチックだ。背中に着けたハーネスのフックでうつ伏せに滑車に吊られ、ジャングルの上最高250mの高さを、2㎞にわたって文字通り飛んで行くのである。自分の周りに巻き起こる風と、体にくいこむハーネスのせいで、満足に息もできないまま、ごうごうという音の向こうに自分の悲鳴をかすかに聞く最初の数秒が過ぎると、しかし、辺りを感じる余裕がうまれる。運よくめぐり合わせた霧の晴れ間に、冷たい風と暖かい日光を浴び、小鳥のさえずりをはるか下に聴きながら、手足をグーンと伸ばしたり、ギュッと縮めたりして飛んでいく爽快感と言ったら!思い出すだけで今でも鼓動が早まり、肌が泡立ってくる。
そして、スーパーマンと名づけられたその飛翔の最後には、60mの高さをほぼ垂直に落ちて行く、最後にして最大の冒険が待っていた。ただ滑車に吊られて運ばれて行くのとは訳が違う。ひとたび橋板をけったが最後、ロープの長さがいっぱいになるまで、重力に従って猛スピードで落下して行くのである。一瞬内臓が持ち上がるような感覚があり、本当に死ぬかと思った。しかし終わってみるとどうしようもなく嬉しさがこみ上げ、私はその朝ちょっとしたいさかいがあったことも忘れて、もう一人の女の子と息を弾ませて抱き合った。
その彼女はデンマーク人、もう1人一緒に行った男の子はドイツ人。ホステルで出会った観光客も皆ヨーロッパ人で、彼らと過ごすなかでたくさんの気付きを得た。たとえば、彼らにとって政治の話題がいかに身近であるかについて。観光客同士キッチンで食卓を囲むと、「今までコスタリカのどこに行ったの?」の次には、「このまえのテロについてどう思う?」となるのだ。日本人が韓国の人に出会ったとき、おいしいキムチの話こそすれ、最近の日韓情勢について話そうと思うだろうか。日本や世界が抱える山のような課題は、まずそれらをどれだけ自分事として捉えられるかに、その解決がかかっているような気がした。
また、コスタリカにいるのにコスタリカ人の観光客にほとんど出会わない不自然さから、理想的に見えたこの国の目玉産業エコツーリズムに関して疑問を抱くことも出来た。外国人観光客に大人気の浅草でも京都でも、日本人の方が少ないなんてことはありえないのに、ここではなぜ?入場料などの費用が、いわゆる観光地価格に設定されているからだろうか。そういったお金を、地域の自然保護と経済活性化に当てるという、エコツーリズムの目的を考えれば、長い目で見て地元にも利益があるのだと思う。でも、こんなに素晴らしい自然とわくわくする冒険が、もしほかでもない地元の人たちにとってアクセスしづらいものなのだとしたら、こんなにもったいないことはない。
ハイキングコースの麓のお土産屋さんで買った、カラフルなハチドリのストラップを触りながら、あの強烈な4日間を改めて思い返す。母語と変わらないなめらかな英語で、何事もはっきりと口にするボランティアたちと、四六時中一緒にいるのは、刺激的なあまり正直辛いときもあった。でも、いやだからこそ、モンテ・ベルデの雄大な自然のなかで、私の世界もまた大きく広がったのだった。(次号に続く)